女性にとって、髪の毛が抜ける病気にはなりたくないもの。
それでも急激に髪の毛が抜けると、もしかして病気かも?と心配になってしまいますよね。
女性の抜け毛の原因はひとつではなく、そのほとんどは生活習慣の乱れなどの外的要因によるものです。
しかし、抜け毛を引き起こす病気が存在するのも事実。
病気が原因なら、特徴的な抜け方をしたり、抜け毛以外にも症状があらわれたりしますから、その特徴を知っておくと過度に心配せずにすみますよね。
今回は、女性の急激な抜け毛を引き起こす病気と病気以外の原因について、くわしく見ていきましょう。
髪の毛が抜ける病気以外の原因
ホルモンバランスの乱れ
エストロゲンという女性ホルモンは、髪の成長を促し、抜けにくくするはたらきがあります。
このエストロゲンは、30歳頃に分泌がピークになり、その後は徐々に減少していきます。この年齢による減少にともない、抜け毛に悩む女性が増えてきます。
エストロゲンは年齢を重ねることで減少するほか、生活習慣の乱れや強いストレスでもバランスが乱れることがあります。
また、ずっと服用していたピルを急にやめたときも、急激に女性ホルモンのバランスが変わり、髪が急に抜けることがありますよ。
出産
妊娠中は、女性ホルモンが大量に分泌されている状態。
出産後は女性ホルモンがぐっと減り、女性ホルモンの影響で豊かになっていた髪が一気に抜けてしまうため、急激に髪が抜けたように感じるのです。
出産後のホルモンバランスは、だいたい半年から1年くらいの間に元に戻ると言われており、抜け毛が落ち着くのもこの頃。
出産後の抜け毛はびっくりしますが、一時的なものですから心配しすぎないようにしましょう。
生活習慣の乱れ
ホルモンバランスの他に髪の毛が抜ける原因になるのは、栄養不足と血流不足。
成長に必要な栄養素と、頭皮の十分な血流がないと、髪は十分成長することができません。
偏った食生活や睡眠不足、ストレス、運動不足は抜け毛を引き起こしますから、もし心当たりがあるなら、生活習慣を見直してみましょう。
参考:女もはげるって本当?女性の薄毛は治るの?女性薄毛改善した方法とは
髪の毛が抜ける主な病気
円形脱毛症
名前のとおり円形にすっぽりと髪が抜けてしまう病気で、円ではなく蛇行した形で抜けることもあります。
円形脱毛症には、1か所のみ毛が抜ける単発型、複数箇所に発生する多発型、脱毛部分がつながる蛇行型、すべての髪が抜け落ちる前頭型、といった種類があります。
円形脱毛症はストレスやアトピーで起こるものとされていましたが、最近では自己免疫疾患が原因とも言われています。
目立つ場所が抜けてしまうと、精神的にもつらいですよね。まずは「皮膚科」で相談するのが良いですよ。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮の皮脂が多すぎる状態。
主な症状には、抜け毛が増える、さらに頭皮がべたべたして脂っぽい、フケが増えた、かゆみなどがあります。
皮脂が増える原因は、生活習慣の乱れ、ストレス、シャンプーのすすぎ残しなどによる頭皮環境の悪化が原因。
脂漏性皮膚炎になった状態のまま放っておくと薄毛になってしまうこともありますから、「皮膚科」受診がおすすめです。
頭部白癬
頭部白癬(とうぶはくせん)は、頭皮に白癬菌(はくせんきん)という菌が感染した状態。
白癬菌とは、いわゆる水虫の原因で、頭皮が水虫になった状態ともいえます。
症状は、白~黄色っぽいかさぶたや、血が固まったようなかさぶたができ、かさぶた部分が抜け毛となることが特徴で、強いかゆみがあったり、頭皮が乾燥してサラサラしたフケが出る場合も。
こちらも「皮膚科」で相談するのが良い病気です。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、鉄分が不足して起こる貧血のこと。
血液中の赤血球は全身へ酸素を届けるはたらきをしていますが、赤血球の重要な成分ヘモグロビンは鉄がないと合成することができません。
つまり、鉄分が不足して貧血になると酸素が全身にいきわたりにくくなり、髪もしっかり成長できないということ。
症状としては、抜け毛が増えるほか、どうき、息切れ、顔色が悪い、疲れやすいといった貧血の症状も出てくることが多いです。
鉄は出血や発汗によって失われますから、月経の出血量が多い方や、よくスポーツをする方は注意が必要といえますね。
鉄欠乏性貧血になっているかどうかは、血液検査で確かめることができますから、「内科」などへ相談してみましょう。
全身性エリテマトーデス
抜け毛の増える病気で有名なのは「全身性エリテマトーデス」。
膠原病(こうげんびょう)のひとつで、日本全国に6~10万人いるといわれています。
特徴は、男女比は男性1に対して女性9と圧倒的に女性に多く、特に20代女性は全体の40%と若い女性が多いこと。
また、原因はまだはっきり解明されておらず、国の難病にも認定されています。
症状は人によってさまざまですが、特に多くみられるのが、頬の両側に出る蝶が羽を開いたような形の赤い発疹(蝶形紅斑:ちょうけいこうはん)と、脱毛。
脱毛とともに、髪の質も弱くなりやすいことも知られています。
重い症状が出ることもあり注意が必要ですが、現在では薬による治療が進み、症状が落ち着くことも多い病気でもあります。
この病気の場合、症状や治療方法が人によってずいぶん違いますから、早めに専門医にかかることが必要。
専門科は「膠原病科」になりますが、かかりつけの「内科」があれば、そちらで相談するのも良いですね。
甲状腺機能の異常
甲状腺機能の異常は女性に多く見られ、主なものに、甲状腺ホルモンが不足する「甲状腺機能低下」、甲状腺ホルモンが増加する「甲状腺機能亢進(こうじょうせんきのうこうしん)/(バセドウ病)」があります。
甲状腺ホルモンの増加による症状は、食べても太らない、汗をかく、眼球が突出する、便が緩くなる、イライラするなど。
新陳代謝が活発になって髪が十分成長する前に抜けてしまうため、抜け毛が増えます。
一方、甲状腺ホルモンの不足による症状は、便秘、むくみ、寒気、皮膚の乾燥など。
新陳代謝が低下することから、髪が抜けた後に新しい髪が生えるまでに時間がかかってしまい、薄毛の状態が続くことがあります。
この場合、血液検査で検査することができますから「内科」へ相談してみると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか。髪の毛が抜ける病気以外の原因と、主な病気についてまとめました。
女性の抜け毛のほとんどは、ホルモンバランスの変化、栄養不足、血行不良で起こるもの。
多くの場合病気の心配はありませんが、もし気になる症状があるなら早めに病院で診察を受け、治療してもらいましょう。
なぜなら、病気による抜け毛なら、専門の診療科で治療をしないと原因が解決しないから。
病院というと敷居が高く感じるかもしれませんが、きちんと原因をはっきりさせて、あなたにぴったりの対策を見つけることも大切ですよ。
正しい対策を続け、髪の悩みから解放されましょう!
参考:女性の薄毛を確実に治す方法とは!治るまでの期間と治るときの前兆
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